確かにいるのだ
それはそこに
姿が見えないだけで
私達の表面をなぞって

ざらり、
不確かで不愉快な
感触だけを残し
知らんふりを決め込む

できることなら
目の前に引っ張り出して
どういうことだと
真意を問うて

できるものなら
きれいさっぱり
洗い流すように
忘却の彼方へ


それは
嫉妬という名の
どす黒い

愛から剥がれ落ちた







《嫉妬》