確かにいるのだ それはそこに 姿が見えないだけで 私達の表面をなぞって ざらり、 不確かで不愉快な 感触だけを残し 知らんふりを決め込む できることなら 目の前に引っ張り出して どういうことだと 真意を問うて できるものなら きれいさっぱり 洗い流すように 忘却の彼方へ それは 嫉妬という名の どす黒い 愛から剥がれ落ちた 屍 《嫉妬》