行かないで行かないで
逝かないで

強張る足を切り落とし
楽になれるのならば
私はそれを切に願う

絶望に暮れた瞳の奥が
涙に揺らぐのを
直視するのは胸が痛くて

目を逸らしたその先には
ただ空虚だけが佇んだ


日々を繰り返し運ぶ陽に
ただ祈る
震える指先を暖めて
明日へ導いてくれることを

まだ別れの時ではないはずだ
まだ旅立つ日ではないはずだ

そう呟き零した声は
霧雨に紛れて
土に還った


信じてもいない神に願う
ボクらの想いは
滑稽か
それとも哀れか

答えをくれる人は
どこに





《雨の朝》