『いい?

 どんなイケメンでも

 あんたには、

 清水君がいるんだから!

 ちゃんと本当の事

 言ってきなよ?』







ついさっき、


綾香に念を押されて



とぼとぼ一人で


3組の教室まで足を運ぶ。






その隣の、


4組の前で立ち止まって



生唾を飲んだ。



あと五歩で・・・。


3組。






風の音しか聞こえない。




まだ時間は早いはずなのに、



人の気配なんて全くなくて。





その妙な雰囲気が、



あたしをよりいっそう不安にした。






逆ギレされたらどうしよう・・・・。





いや、もし誰もいなかったら?




からかわれてるだけだったら・・・。




いっそのこと、その方が気が楽だと思った・・・