いつものように、携帯のアラームで朝起きて、気付いた。

今日が何の日か。


今日は、私の20回目の誕生日だった。






携帯には、友人からの誕生日おめでとうメールが沢山。


こんな私でも祝ってくれる友達がいることを嬉しく思う。




少しニヤケた口元を掌で隠しながら一つずつ返事を返していく



―――ありがとう 本人が忘れてた誕生日を覚えてくれていて嬉しいよ。



全てのメールに返信してしまって、ふと時計を見て焦った。


「ヤバい! 遅刻する!」


外は、春の木漏れ日に溢れ鳥達が歌を歌っていた。

そんなゆっくりしてる時間はないのに言葉と裏腹に行動はゆっくりしてた。












気付かないうちに始まってるんだ。

ありふれた幸せを願う私には少し重荷だけれど、この事実が私の世界の色を変える出来事。



気付いた時にはもう戻る事の出来ない所まで、来ていたんだ。

貴方色に影響を受けながら、彼女の色に嫉妬する未来。


先を知るのは、きっと神様だけ。










始まりの欠片は、もうこの時点ですでに落ちていた。