「その事故……1人亡くなったよね」


急に話しを裂いて来た凜に少し驚いた。


「そ…そうそう、それでさ……」


話し出そうとする僕を凜はまた話しを被せる。


「知らない人に背中を押されて…」








―カリカリ…ガララ…



ボンが突然部屋に入って来た。


「あっ、珍しいな。ボンが他人がいるのに部屋に入って来るなんて滅多にないんだ」

「そうなんだ…」



でも、ボンは背中の毛を立てながら怯えたように僕の後ろに隠れた。



「ボン、怖いなら外に行きなよ」