「ひでぇ事故だな…」


隣を歩くサラリーマンの男性が話しをしていた。


「”電車に人がひかれたらどうなるか知りたかった”だろ?」

「そんなんで、突き落とされたらたまったもんじゃないな。」

「まだ被害者は若かったみたいだしな…」

「あぁー怖い怖い!!」







そんな事故だったのか…そりゃあ可哀相だな。




駅の改札をくぐりながら、少し前を思い出した。


僕はこんなニュースを聞いても全く何も感じなかったのに、今は心から可哀相だと思える。


きっと凜との時間が僕の心にゆとりを作ったんだ。