10分というタイムリミットの中で僕は必死に片付けを開始した。



片付けて片付けて、頭の中でなんとなくノルマを作る。







―10分以内に部屋を綺麗にしたら、凜ちゃんとうまくいく。








無意味なノルマに僕は俄然やる気を出して、掃除に明け暮れた。



ゴロンと寝そべるボンを足でどけるけど、ボンは動こうとしない。



「バカ!ボン、凜ちゃんが来ちゃうだろ!」



下心のある僕の願いをボンが聞いてくれるはずがない。




「仕方ないなぁ」


ヒョイとボンを脇に抱えて僕は部屋をガタゴト片付け出した。