それから毎日凜ちゃんと一緒に通った。

いかにも偶然を装って、玄関に耳を付けて出て来るのを待つ日もあった。


「時間大丈夫ですか?」


って聞かれても「会社の始まりの時間が少しズレたんだ」って嘘をついた。本当は凜ちゃんに会う為に、駅から会社を猛ダッシュしてるなんて口が裂けても言えない。




僕の中で1日1日、凜ちゃんへの思いが強くなってる事に気が付いた。



憧れ以上の思いが膨らんでいく。


こんな美人が相手してくれるはずがないのに…。


花が開いたような笑顔。
オルゴールのような優しい声。
綺麗な瞳。



僕は凜ちゃんに確実に心奪われていったんだ。