昔は僕もきっとあのサラリーマンのように思っていたと思う。




凜の両親を見ても、欝陶しくさえ思ったと思う。



それは、相手が凜の両親だからじゃない。


凜と出会って僕は人を思う気持ちが身についた。



凜のおかげでそんな風に人を想えるようになった。




そして、僕は悲しみにくれる背中に声をかけた。