「おい、またあの夫婦来てるぞ」

「本当だ。朝からテンション下がるよなぁ…」




隣のサラリーマンの話し声につられて僕は後ろを振り返った。






そこには、凜の両親が立っていた。






なぜか引き寄せられるように、僕は凜の両親の元へ歩き出した。




まるでそこに凜がいるような気がして。