「あ……柚樹」



担任は、キスが終わるとあたしを呼び止める。
そして、一言あたしに言った。



「掃除楽しいか?」



「は?」



間抜けな表情であたしは、担任をガンミした。



「担任の実家の“大掃除”なんてやりたくないです」



「そうかそうか、まぁ頑張れ」



じゃあ、言わないでよ。楽しいか?なんて。



なんであたしが!



「担任もしてよ!雑巾がけ」



「あ……俺は、ほら、今からお前に話さないとダメだろ?だから今のうちに休みたいんだ」



「は、さよですから。老人だから、仕方ないですね」



「お前な……」



「エヘヘ、さてと、先生の秘密知りたいし、がんばるか!」



「今……可愛いって思ってたでしょ?」



「俺は別に……トモが一番だよ」



「本当かしら?」



「本当ですとも」



担任トモにこき使われてんだろうな……担任好き好きオーラ全開だし。



あたしには関係ないし、がんばるか!お昼ご飯も食べたいし!



あたしはそう思いながら雑巾がけをする。