「はい、交代、交代! 今度はあたしがカヨの背中を押すよ」



あたしは立ち上がり、今度はカヨが座って前屈の姿勢をとった。



「ねぇ、セーラ」



カヨは、あたしに背中を押されながら、またこんな質問をしてきた。



「本当に、カイト先輩に恋してないの?」



「してないってば」



あたしは、笑って流す。



「はい、もっと押すよ」



その話を打ち切って、カヨの背中を押したけど。


カヨは思いがけないことを言い出したのだった。




「じゃあさ、セーラが本当にカイト先輩に恋してないなら……

あたしがカイト先輩のこと、好きになってもいい?」