足元がグラグラと崩れそうな感覚に襲われる。

だけど必死にこらえて、あたしは無理に笑顔を作った。



「そ、そうだったんだ。

ユキコ先輩と上手くいったんだ。

良かったね、ダイスケ」



「あぁ、ありがとう」



嬉しそうに笑うダイスケの顔。

……あたしの大好きな、ダイスケの笑顔。


あたしは、カイト先輩の顔が見れなかった。



「ダイスケにデートに誘われました!」なんて、意気揚々と電話した自分が恥ずかしくて。

あたしが着てくる服なんて、ダイスケにとってはどうでも良いことだったのに。

「どんな服を着ていったらいいと思いますー?」なんて聞いた自分が恥ずかしくて。


カイト先輩の顔が、見られなかった。