「あれ、カイト先輩?」



あたしの視線の先を追ったらしく、ダイスケはカイト先輩の姿に気づいたようだった。



「うん。エイズ防止活動のボランティアなんだって」



「ふーん。俺、挨拶して来ようかな」



「え?」



ダイスケがカイト先輩の方へ向かったので、あたしも慌てて立ち上がり、後を追う。



「先輩!」



「おう、ダイスケ」



「ボランティア、お疲れ様です」



「ああ、ダイスケは、これからセーラちゃんとデートなんだろ? 楽しんで来いよ」




そう言ったカイト先輩にダイスケが返した言葉に、あたしは固まった。