巨大恒星であるオリオン座のベテルギウスが謎の縮小をしており、原因はまだ解明されていない。

カリフォルニア大学バークレー校のチームが研究を進めており、そのメンバーにはノーベル賞学者のタウンズ博士もいて――



最初は淡々と話しはじめたカイト先輩だったけど、途中から先輩は話すことに夢中になっていて……


あたしには分かった。

今、先輩の瞳に映っているのは、あたしじゃない。

未来だ。





「先輩にお願いがあるんですけど」



話が一区切りついたところで、あたしは切り出した。



「なに?」



「先輩の留守中、あたしがたまにリズの散歩をしていいですか?」



「それはもちろん……っていうか、行っていいのか?」