「セーラが、あんなに想ってたダイスケに失恋したわけだから、それについてはすごく心が痛かった。

でも一方で――

ユキがダイスケと幸せそうに付き合っている姿を見たときは、ユキが幸せになってくれて本当に良かったと思ったんだ。

……ごめん」



「そんな、あたしに謝ることはないです。

でも……だったら、どうしてですか?」



「え?」



「ユキコ先輩はダイスケと幸せに付き合ってたんでしょ? それを良かったと思っていたなら、どうしてカイト先輩は、ユキコ先輩と奄美大島に行こうとしたんですか?」



「いや、だからそれが、ダイスケの誤解なんだよ」



「誤解?」



「そう」



カイト先輩は、運ばれてきたアイスコーヒーをひとくち飲んで、話を続けた。