ダイスケは黙ったまま駅に向かって歩きはじめたから、あたしも後を追う。



「俺さぁ……」



ふいに、前を向いたままでダイスケが口を開いた。

あたしはダイスケの背中を見つめながら、その続きを待つ。



「俺、今日はセーラを学校まで送ったら、そのまま帰るよ」



「え? どういうこと? だって、観測会は?」



「パスする」



「どうして?」



「……」



ダイスケが天文部の活動に行きたがらない、ということは。



「もしかして、ユキコ先輩と何かあった?」