「どこ?家?」



「……この角を曲がった所ですよ」



額に掌をかざす仕草でキョロキョロと分かりやすい行動に呆れたまま2人で角を曲がった。



「桃花ちゃん家はここかぁ…覚えとかなきゃね」



「…アハハ」



別に覚えてくれなくてもいいのに…



…―ピーンポーン



聞き慣れたインターホンの音と中から聞こえる足音に下を向いた。



「はい?」



母さんがいつもより高い接客用の声で返事した。