お礼を言い、家に入るあたしの肩を先輩は柔らかく掴み引き止めた。



「……どうしたんですか?」



キスの事が頭をフッと過り思わず体が強ばった。



「好きだって伝えたんだからこれから遠慮はしないよ?」



「え!!」



それは先輩の本性を見せたような不敵な笑顔。



「じゃ、またね?」



「…お疲れ様です」



遠慮はしないって…夕方といえど風は蒸し暑い。



それなのにブルルッと身震いした。