──翌日。


美菜が教室に入り、何気なく晴香の姿を探すと、視界に弘と叶を含めた数人の男子が映り込んだ。


晴香はクラスが違うけれど、朝は弘のところに来ていることが多い。


だが今日はまだ学校に来ていないようで、その代わりに男子がたむろしているみたいだ。


晴香は、昨日泣きはらした目が大変なのかもしれない。


それとも今日は来ないのだろうか、と思っていると、美菜の視線に気付いた叶が、輪を抜けて美菜の元へやってきた。


「おはよう」


いつもと変わらない顔で笑いかけてくる叶に、美菜は戸惑いながらも挨拶を返した。