夕飯の時間に、美菜は全校集会で言われた候補生のこと、それから弘と叶のことを話題に出した。
柚江は顔をしかめ、美菜に同調し、美菜を大いに安心させた。
「学生にまで訓練だなんて、国は一体何を考えているのかしら」
憤慨している柚江を見て、美菜は安堵する。
「そうよね。学生の本分は勉強だもん」
普段はやりたくない勉強も、こういう時は頼もしい。
達也は少し考え込み、黙って夕飯を食べている。
そんな達也に、美菜はイラついた。
言うだけ言ったのもあり、サッサと席を立とうとする。
それを引き止めるかのように、達也はボソボソと美菜に向かって話し掛けた。
「だが、いつかは行かなければならないとしたら、どうする?」
美菜は構わずに立ち上がり、流しへ食器を片付けると、そのままソファーへ向かった。
そして、達也を振り返ることなく大きな声で言った。
「だから、二人にそう言ったわよ」