教室へ戻ると、少し遅れて担任が入ってきて、詳細を説明した。


「……というわけだ。何か質問はあるか?」


一通りの説明をしたあと、担任はひどく億劫そうにそう言って、紙を配った。


子細が書いてある紙と、応募に関する用紙だった。


生徒の誰一人として、質問をしようとしたものはいない。


それを確認し、担任は目を伏せた。


「これは保護者にも見せるんだぞ」


いいな? と念を押し、そっと溜め息をついた。