全校集会では整列するから、弘も叶も美菜から離れてしまった。


集まった生徒の前で、校長が段に上がる。


校長が切り出したのは、『志願者の候補生を募ることになった』というものだった。


もちろん強制ではなく、志願の出来ない年齢のものでも、意欲があるものは演習に参加出来るというものだ、と校長は苦々しい顔付きで言った。


「君たちのような若い世代のものたちは、飲み込みも早いだろう」


何かを読み上げるように喋る校長に、体育館にはさわさわと衣擦れの音だけが聞こえる。


そして候補生の申し込み手順などを説明し終えると、詳しいことは担任に聞くように告げ、校長は壇上からのそのそと降りた。


そのまま教室に戻るよう、教頭が指示をする。


生徒たちは押し黙ったまま、体育館を後にした。