「はぁはぁはぁ・・・。」


私の息はなかなか元のリズムに戻らない。


「大丈夫か?」

「うっ、うん・・・。」


隆志は私に申し訳なさそうに、私を胸へと引き寄せた。


「もう、心配させるな。」


隆志は荷物を下へ置くと、私を優しく抱きしめた。


「うぅ・・・怖かったよぉ。」


隆志のそんな優しさにほっとしてか、自然と私の目から涙がこぼれる。


「隆志ぃ~。」


隆志は何も言わず私の頭を撫でてくれた。


「もう大丈夫だ。」


隆志に言われると本当に大丈夫な気がする。

私は涙を手で拭って、隆志に笑ってみせた。


「えへへ、本当に大丈夫みたい。」


そんな私を見て、隆志はフッと笑って、今度は頭をポンポンっと叩いてくれた。


「行くぞ!少し時間をロスしたぞ。次は何処行きたいんだ?」