エスカレーターをあがると、新幹線がもの凄い勢いで通過をした。

その風は、私のスカートはヒラリとなびかせる。


それは、これから隆志と一緒に大阪に行くんだという事を実感させた。

まぁ、仕事なんだけど、仕事だけじゃない、そんな気がして。


隆志は荷物と私を置いて、買い物へ行くと言い出した。

私をベンチに座らせると、その隣のベンチに私の荷物を置く。

そして、自分の荷物は地面に置いて・・・。



「新聞買ってくるから。他に何か欲しいものあるか?」

「あっ、じゃあ・・・スポーツドリンク買ってきて?」

「OK。」



本当は何か食べるものも・・・と思ったのだけれど、そこまではなかなか甘えられない。

でも、戻って来た隆志の手には、新聞とスポーツドリンクと何故かサンドウィッチ?


「お腹空いていないか?」

「空いてる・・・。」

「そう思って買ってきた。あとで、電車の中で食べよう。」



隆志は優しい顔で微笑んだ。

もしかして、さっきのお腹の音が聞こえていたの?

そう思うと、恥ずかしさもあり、自分の事を気にかけてくれている隆志の優しさが嬉しくもあった。


「隆志?」

「何だ?」

「ふふっ、ありがとう。」


隆志は何のお礼か分からずに、首を傾げていた。