隆志は私をおいてサッサと歩いて行く。


「待ってよ!」

私は急いで鍵を閉める。それでも足を止めてくれない。


「隆志待って!」

私は隆志を追いかける。


「ほら、モタモタすんなっ!」


隆志は何処までSなんだか。

てか、これじゃあ、先生に怒られている生徒じゃない。

けれど、隆志は荷物を持ってくれたままだった。

自分の荷物もあって重いだろうに。



「隆志、もう荷物持つよ。」

「いいよ。お前はさっさと歩け!」



これは隆志の優しさなのだろう。

私は少しだけ、素直に隆志の優しさに甘える事にした。