「愛璃、何悩んでるの?」


クレープを食べながら、淡々と聞いてくる優。

吹き出しそうになっちゃったよ!!


言える訳無いじゃん。


優の事スキなんだってさぁ。


「別に、大した事ないよ」


うまい言い訳なんか見つかるはずもなく、そう言うしか無かった。


私は何とか話題を変えたくて


「それより、さっきの子また振ったでしょ?!」


優のクレープを食べていた手が一瞬止まる。


「ああ」


微妙な返事の後、何事も無かったかのようにクレープを食べる優。


「可愛いかったのに……優は何で彼女作らないの?」


なんて、思っても無いことを口に出している私はバカだよね。


でも、それより驚く言葉が優の口から出て来た。




「俺、好きな人が居るから」




危うくクレープを落としそうになった。




好きな人?




初耳だよ。




でも、よく考えたら当たり前の事か……




私はなんだかハンマーで殴られたかの様な衝撃で、何にも考える事が出来なかった。


ただ、優の言葉が頭の中でエコーしていた。