優は渋々OKを出し、私達は駅前のクレープ屋さんに移動した。


優はショーウィンドーにへばりつきながらクレープを選んでいる。


「決めた!!」


『バナナチョコクレープ』


私と優の声が綺麗にハモる。

優はびっくりした顔で私を見ていた。


「なんで、分かるの?」


「何年幼なじみやってると思ってるのよ」


そういうと、私はお店の人に
『イチゴカスタードクレープ』と『バナナチョコクレープ』をお願いして横で待っていた。


優がお金を払い私の横に並ぶ。


道行く人が振り返る程、優はカッコ良かった。


モデルのように手足が長くて、その上には小さな顔と長いまつげ。


完璧だよね。



そんな人と【幼なじみ】っていう特権。


みんなは羨ましがるよね。


でも、【幼なじみ】が邪魔をする時も有るんだよ。



昔、中学生の時に優が


『幼なじみは、恋愛対象外』


って言ってたのをはっきり覚えてる。


別に私が告白した訳じゃない、クラスの男子とのたわいもない会話の一部。


はっきりと耳に残っている言葉。


それからかな。

私が優に対して、『好き』って感情を押さえ初めたのは。


苦しくて、忘れたくて他の男の子とも付き合ったりしたんだ。

でも、いつの間にか優と比べてる自分が居るの。



最低だよね。