「やっと結婚出来る…。」

「ホントだね。」

「皆のおかげだよ。
ホントにありがとう、皆。」

「良かったな、圭吾。
明日、届けを貰って来るから、
2人で書きなさい。」

「解った。」

「結婚するのも大事だけど、
ちゃんと回復して
一緒に住まなきゃな。」

「…うん、結婚したら
ひとつだけやりたい
事があるんだ。」

「何だ?」

「結婚式は出来なくても、
せめて写真だけは撮りたい。
千依にはちゃんと
ウェディングドレスを
着せてあげたいんだ。」

「圭ちゃん…。」

千依は早くも涙で
目を潤ませている。

「ちゃんとした
写真館じゃなくて良いんだ。
インスタントのカメラで、
最悪、病室の中
でもいいから…。」

「解った、クマ先生に
相談してみような。」

「ありがとう。」

圭吾はそうお礼を言って、
ゆっくり目を閉じた。

ひどく眠い。