翔吾に追い付くと、
彼は大学の友達と
喋っていたので、じっと待った。

「なぁ、後ろの誰?」

そんな声が聞こえる。

翔吾が振り返って言う。

「あ?…何だ、居たのか。
ちーは?」

「まだみたい。
見当たらないんだもん。」

「しゃあねぇな。
ここに居て良いから
おとなしく待ってろ。」

「解った。」

翔吾は友達との会話に戻る。

「悪い、これ双子の弟。
圭吾って言うんだ。
彼女来るまで
ここに居させといて。」

「俺らは構わないけど、
お前弟居たのか。
しかも双子って。」

「意外だろ?
これでも、弟思いの
良い兄ちゃんなんだぜ?」

(まぁ、そりゃ確かに
優しいけどさ。)

圭吾はその会話を
聞きながらそう思った。

「自分で言うか。」

「おうよ。」