その頃、千依は泣きながら
階段を降りていた。

リビングに入る。

そこへ、翔吾がやって来た。

「ちー、どうした?」

泣いている千依が気になり、
翔吾は側に駆け寄った。

「…っ、圭ちゃんが、
私に当たるの。
今まで普通に話してたのに、
いきなり…今までこんな事、
一度もなかった。」

(確かにおかしい。)

翔吾は思った。

どちらかというと、
圭吾は優しくていきなり
彼女に当たるような奴ではない。

「…で、ちーは部屋を
でてきちまったわけだ。」

「ごめんなさい…。
私、悲しくて…。」

「何でちーが謝るんだよ。
ただ、圭吾にも何か理由が
あったんだろうから、
あまり責めてやるな。」

「ありがとう、翔ちゃん。」

彼女は涙を拭った。