千依は圭吾に駆け寄った。

「圭ちゃん!!」

周りには人だかりが出来ている。

そばにはクマ先生が居て、
圭吾の処置をしている所だった。

「クマ先生…圭ちゃんは?」

「大丈夫、軽い発作だ。
全く、馬鹿野郎が。
無茶しやがって。」

「圭ちゃん…どこか悪いの?」

「悪いが今は
説明している暇がない。
…時間はあるか?」

「…はい。」

「手伝って欲しい事がある。
駐車場に俺の
ワゴンを停めてある。
黒のワゴンだ。
ナンバーを書いた紙を渡すから、
中から毛布をとってきて欲しい。
これが鍵だ。急げ。」

「はい!!」

千依はただひたすら走った。

圭吾の為に必死だった。