その時、クマ先生が
思い出したように言った。

「そうだ。
またお前の家の近くに
越してきたんだよ。」

「そうなの?」

「あぁ、またよろしくな。
おチビちゃん。」

「僕はもう19歳だよ。
いつまでも子供扱いしないで。」

「おっと、怖い怖い。
でも、俺から見れば
お前はまだまだ子供だよ。」

「うるさい。」

(そりゃ体は小さいし、
弱っちいかもしれないけど、
それだけで判断
しないで欲しいよ。)

圭吾はそう思って、
クマ先生を睨んだ。

クマ先生は慌てて言った。

「解った解った。
そんなに怒るな。
また発作起こすぞ。」

「誰が怒らせてるんだか。」

「だから悪かったって
言ってるだろう。」

「言ってない!」

謝るクマ先生をよそに、
圭吾は怒ったまま
そっぽを向いた。

クマ先生は呆れたように
ため息をついた。

この後、圭吾は本当に
発作を起こしてしまった。

そしてそのまま
夜まで眠ったままだった。

夜に翔吾が来ても、
どこかだるそうで、
翔吾もすぐ帰ってしまった。