「ダウンロード終わったね」
「うん、さくっとインストールしてみよっか」
自宅のPCは趣味が高じて自分でくみ上げたものだ。
安価で高機能。満足満足。

インストール終了。起動。パッチ当てにちょっと時間がかかった程度。

さっそくキャラクター作成画面へ。
「やー、なにこれかわいい~~!」
みやちゃんからあらかじめ渡されていた設定資料集をよく読んで、自分は魔法使いがいいな、と冬子は思っていたのだが…。

かわいいのである。ちまっこいのである。
子供のような外見だが、これでも大人なんだと。
「子供は反則って思うぐらいかわいいわよ。」
みやちゃんがにやっと笑って見せた。

もう魔法使いとかそういうのはどうでもよくなり、この種族でキャラクターを作ることを決めた。
(あとで思い出したことだがこの種族はちょうど魔法使いに適していた種族だった。)

「あー、そのフェイスも髪型もかわいい~~」
悩む。じりじり、じりじりと煙草とコーヒーが減っていく。
まるで童心に返ったかのようだ。いや、まるでという表現は正しくない。すっかり童心に返ってしまっている。
おもちゃ売り場できゃっきゃと騒ぎだす子供そのものだ。
「んー、悩むわー…でも、これにしよっと…。」