冬だって言うのに吹雪の中わざわざよびだしやがって。

だれか手をつないでくれる人でもいればいいのに。
冬子はそう思った。

代わり映えのしない毎日。
募るのは苛立ちばかり。

とうとう親友から「私、お嫁にいくことになったの」という台詞をきいた。
お嫁さんか。
そうだね、みやちゃんならふさわしい旦那様と出会えて当然だものね。
かわいくて、気も利いて、しっかり者のみやちゃんだもん。

「式はしないの?」
みやちゃんはちょっと寂しそうな表情をした。
「うん…まだ私たちあんまりお金もないし、とりあえず入籍だけ。」
そっか。残念だな。みやちゃんのドレス姿が拝めるんならわざわざ名古屋までいく気にもなったのに。
だけどレイも結婚してから何年か経ってから正式に結婚式したんだったなあ。

結婚か…。

人の奥さんになるってどういう気分になるんだろう。
…それ以前に私には恋人すらいないんだけどさ。
やっぱりなにかしないといけないのかな?
今流行の婚活ってやつですか?
なんかそう考えていると気分が妙に重たくなってくる。