「今すぐ、フランス『ルブラン・ド・ムシュラード』のパティシエ『ピエール』の作ったババロアが食べたい!」



「なんじゃあ~そりゃあ~~~!!」


松田刑事の、そのあまりに予想外の答えにシチロー達は大声を上げて驚いた!



「そんなの無理に決まってるじゃん!」


「いや、しかしそれがそうでも無いんだ……そのパティシエの作ったババロアってのは美佳の大好物のスイーツで、岡崎家では定期的に空輸で取り寄せていたらしい。
ところが、たまたまその日は在庫を切らしていて……しかも、その日最後の1つをつまみ食いしたのが、おトキさん本人だったらしいよ……」




「・・・・・・・・」




絶句するシチロー達。



まさかスイーツ1つの事で、こんな殺人事件にまで発展するなんて……



暫くの沈黙の後、シチローがやりきれない顔で呟いた。



「ルブラン・ド・ムシュラードのババロアねぇ……………………………………ん?…ババロア?」



『ババ…ロア』……








もしかしたら、美佳の書いたあのダイイングメッセージは…………









おしまい♪