岡崎家の一人娘『岡崎美佳』殺人事件も、真犯人おトキの逮捕により、ようやく解決の運びとなった。
そして、その数日後。
岡崎邸では、チャリパイや松田刑事に対する事件解決の労いと共に、亡き愛娘美佳への供養の意味も込めて、友人知人を集めささやかなパーティーが開かれていた。
「いや、松田刑事。そして森永探偵事務所の皆さん!皆さんのおかげで美佳の魂も無事に成仏する事が出来るでしょう。
本当にありがとうございました!」
岡崎は、五人に向かって丁寧な言葉で深々と頭を下げた。
「ところで松田刑事……おトキさんは、どうして美佳さんを殺さなければならなかったの?」
てぃーだが、最後まで解らなかったおトキの殺害動機について、松田にその後の取り調べの事を尋ねると、松田は何とも理解に苦むような顔でこう答えた。
「あの夜、おトキさんが美佳の部屋を訪れた時……その時はちょうど、小島みどりと例の芸人になる、ならないでちょっとしたイザコザがあった後の事だった」
「確か、みどりさんは美佳さんにビンタをくれて帰っちゃったんだよね」
「そう。……だから尚更美佳は機嫌が悪かったんだろうな……おトキさんの顔を見るなり、凄い剣幕でおトキさんにある事を要求したらしい……そして、おトキさんはその要求に応える事が出来なかった……」
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