「冗談じゃない!
なんだ!さっきのあの刑事の言いぐさは!
まるで私達が容疑者みたいな言い方だったじゃないか!」


松田達が二階へ上がった途端、招待客の馬場が憤慨して言った。


「まぁ、そういう事なんでしょうな……この中に犯人がいる可能性は充分にある。」


落ち着き払ってそう答えたのは、評論家の羽葉。


「それに馬場さん、怒って帰ったりしたら、余計に警察に疑われますよ♪」


「ふん!そんな事を言ったら、警察が来るほんの少し前に帰った人間が何人もいる。その方がよっぽど怪しいじゃないか!」


これではとても、パーティーを楽しむなんて雰囲気ではない。


シチロー達4人も、さすがに困った顔で時計を眺めていた。


「こりゃあ、何時になったら帰れるか分からないぞ……」


「こうなったら、食べれるだけ食べるしかないわね!」


「ビールおかわりぃ~♪」



と、その時である。



家政婦のおトキさんが、二階から降りて来て
シチロー達の所へとやって来た。


「あの……あなた方が
森永探偵事務所の方達でしょうか?」


「えっ?…そうですけど、なにか……」


「旦那様がお話があるそうです。どうぞ上の方までお足を運び下さい」