「ウ~~ラ~~メ~~シ~~ヤ~~~」



「み、美佳!!」



そこには、殺されたはずの岡崎美佳が立っていた。


暗闇に浮かび上がるその顔は青白い明かりに包まれ、胸にはナイフが刺さったまま、血で真っ赤に染まっている。



「よぉ~く~も~あ~た~し~を~こ~ろ~し~て~く~れ~た~わ~ね~」


俯いた顔から目だけをギラつかせたその表情は怨みに満ちていて、あの明るい美佳とはまるで別人の様であった。


「ひっ!ひぃぃ~!」



親である岡崎夫妻でさえ、そのあまりの恐怖に堪えきれず両手で自分の頭を抱えながらその場にうずくまっていた。



この中で平静を保っていられたのは、シチローだけである。



(さすがはティダ。本当に美佳さんの幽霊が出たみたいだよ……)



そう……ここに立っている美佳の幽霊は、特殊メイクを施したてぃーだの熱演である。


すべては自白を拒む小島みどりに罪を認めさせる為に、シチローの仕組んだ作戦であった。



名付けて
『死人に口あり大作戦!』