シチローがてぃーだに何を指示していたのかは、その後すぐに判る事となる。
いつの間にかすっかり陽は暮れて、屋敷の外は真っ暗になっていた。
当然、シチロー達のいる岡崎邸のパーティールームには照明が灯されていた訳だが……
突然、その照明全てが消えてしまい、室内は一瞬にして闇に包まれてしまったのだ。
フッ……
「何?」
「停電?」
「停電だ!」
「何も見えないわ!」
「灯りは無いのか!灯りは!」
突然の停電に、部屋にいた皆が口々に騒ぎ出した。
この家の主人、岡崎は、慌ててお手伝いのおトキに非常用の懐中電灯を持って来るように指示をする。
「おトキさん!これじゃ何にも見えんよ!何か灯りを持って来てくれっ!」
「ハイ!ただいま持って参ります!」
暗闇の中、手探りで一旦部屋の外へ出て行ったおトキは、災害時用の懐中電灯を何本か抱えながら、そのうちの一本のスイッチを入れて足元を照らしながら再び部屋へと戻って来た。
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