「これでいいの?」
「ほら♪見事にピッタリ
……合わない………
…ん?合わない?」
それを見たてぃーだが、すかさず馬場よしこに尋ねる。
「よしこさん、失礼ですけど足のサイズはいくつ?」
「『29センチ』だけど!」
『シンデレラ』の足は、ガラスの靴に合う事は無かった。
馬場よしこの足は、松田の用意した28センチの靴には収まりきらなかったのだ。
「どんだけデカイんだ!」
この事実により、松田の推理は見事に崩れ去ってしまった。
「何が『ピッタリ』だ!全然犯人じゃないだろ!」
「俺の娘が犯人な訳ない!」
「なんだよ…わざわざ来たのに…」
皆の批判が松田刑事へと集中した。
松田はといえば、先程までの自信満々な態度とは打って変わって、肩をすぼめて小さくなっていた。
(なんだよ…たかが1センチ位、大目に見ろよ……)
そういう問題でも無いと思うのだが……
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