ビシッと指先を馬場よしこへと向ける松田刑事。



「私…ですか?」



キョトンとした表情の
馬場よしこ。


まるで、寝耳に水といった様相であるが、本当のところはどうなのだろうか?



「そうだ!とぼけても
ダメだぞ!
…『血文字の[ババ]』そしてバカデカイ女を見たという目撃情報…そしてこれが決定的だ!
さぁ、現場にあったのと同じ大きさのこの28センチの靴に君の足を合わせてみなさい♪」



松田刑事は、まるで
『シンデレラ』の王子様のように、馬場よしこの足元に用意した靴を置き、足を合わせるように促した。


しかし、童話のシンデレラと違う所は、この靴が幸せに結び付く物では無いという事だ。


「さあ!早くこの靴に!」






「さあ!早く!」















「さあぁぁっ!」




松田刑事に何度も促され、仕方なく覚悟を決めた馬場よしこは、自分の片足の靴を脱ぎ、ゆっくりと松田の用意した靴に爪先を差し込んだ。