「もしコブちゃんがここに居たら、絶対あれ拾って帰るよ♪」


ゴミ箱に捨てられた靴を見ながら、シチローが笑いながら言った。



子豚といえば、岡崎邸に残ったあの三人は今頃何をしているのだろうか。










ワン♪



「じゃあ~ジェロニモ。次は、このボールを取って来るのよ!それ!」


「チャリパイの三人は、岡崎邸で食事をご馳走になったあと、庭で岡崎家の番犬『ジェロニモ』と遊んでいた。



ハッ…ハッ…



「エライ♪エライ♪はい~ご褒美♪」


てぃーだの投げたボールをくわえて戻ってきた
ジェロニモの頭を、ひろきが満面の笑顔で撫でながら、ビーフジャーキーを与える。


「あれ?食べないでどこかにくわえて行くわよ…」


「どこ行くのかしら?」


三人がジェロニモを追いかけると、その先には庭に掘った穴に犬が集めた『宝物』が埋まっていた。


「ゴムホースに、ジョウロの先に、ボールに、植木鉢…ジェロニモの宝物ね……」


「私、この靴貰っちゃおうかしら♪」


ジェロニモの宝の中にあった靴を拾い上げ、子豚が無邪気に顔の横に並べて微笑む。


「コブちゃん…それ、
ウンコ付いてるみたいだよ…」





「ぎゃああああ~~っ!」


子豚が絶叫して放り投げた靴を、てぃーだがつまみ上げて呟いた。


「いったい誰の靴かしらね…」