「何だよ!さっきと話が違うだろっ!」


「だって、犬のウンコだぞ!買ったばかりの愛車が汚れる!」


「そんなのは洗えば落ちるだろっ!」


小島みどりを連行するかどうかで、運転席の松田とドアの外のシチローが言い争いを始めた。


何しろ、買ったばかりの新車という事で、松田は頑としてみどりの乗車を拒否していたが……
ひょんな事からその事態は変わった。


「あれ?みどりさん、脇の店へと入って行ったぞ?」



みどりの行動を目で追ったシチローと松田が、そのまま視線を上に向けると、そこには靴のブランド名が並ぶ看板があった。


「どうやら新しい靴を買うみたいだな……」


そして数分後。


みどりは新しい靴を履いて出て来た。


手には、先程まで履いていた靴を摘むように持っていたが、店の外に出るとすぐに、その靴を大学のそばに設置されていたゴミ箱へと捨ててしまった。


「あ~あ~もったいない……洗えばまだ履けるのにな……」


「さすがはセレブのお嬢様だね。犬のウンコの付いた靴は、もう二度と履きませんってね♪」