「ホントにデカイな!」


大学の正門から出て来る馬場よしこの大きな体型は、遠目に見ても充分に確認出来る程だ。


馬場よしこは、隣を歩いている学生と、何やら
お喋りをしながら、
シチローと松田の乗った車の横を通り過ぎた。


「あれ?馬場よしこの隣にいるの、みどりさんだったな…」


「みどりというと、あの夜、パーティーに来ていた小島みどりの事か?」


「そう………まぁ、二人共美佳さんの友達だったんだから、一緒に歩いていても不思議ではないか……」


そう呟いて、二人の後ろ姿を眺めているシチローの肩を、松田がポンと叩いた。


「じゃ、シチロー君。
馬場よしこを連行して来たまえ♪」


「ええっ!何でオイラが行くんだよ!」


「刑事の俺が行ったら、相手が警戒するだろ!
最後まで彼女には油断していてもらう必要があるんだ!」


そんなもっともらしい事を言う松田刑事に内心呆れながらも、シチローはある事を条件に松田の
指示に従う事にした。