「イェーイ!!のってるかー!?」







バンド!!

あっ今、似合わないって思ったでしょ

放課後、週3回。

こうやってバンドホールに集まる。

ここでは、思う存分楽しめる。

たくさん濃いメイクをして、
自分を自分じゃない、
別の人間に、仕上げる。

 

「愁菜っ。おつかれー」

「おっ魁。おつかれっ。」



愁菜(シュウナ)は、私のバンドの中での名前。

そんで、魁は、バンドメンバー。



「なぁ愁菜ぁー。そろそろ、ホントの名前教えてくれよぉ。」

「はぁ??無理っっ。そんな甘えた声で言ってきても、無理なモンは無理だよぉーだ!!」



私は、魁に、ホントの名前を教えてない。

もちろん他のメンバーにも・・・。

みんなの前では、悠里ではなく、
愁菜としてカッコイイままでいたかったから。