ん・・・?

待ってよ。

何で、こんな時期に、
瞬耶は転校してきたんだろう・・・。

今まで、そんな素振りは見せなかったしな・・。


「あのさ、いきなりなんだけど花咲君ってなんで、転校してきたの?こんな時期に・・・。」

「えっっっと。なんか・・その、俺の家、今まで、母子家庭だったんだ。でも、この間母さんが、倒れちゃって。
 それで、こっちのばぁちゃんのとこに来たってわけ。・・・。なんか暗くなっちゃったね。ゴメン。」


「ごめんねっ。変なこと聞いちゃった。」

「ぃいよ。別に。もうふっ切れてるし。」


「花咲君。・・。私の家も、母子家庭なんだ。やっぱ。なんか似てるね。」


あっ。やべ。

自分の家のことは、
なるべく隠しておきたかったんだけど・・・。


なんか・・・・・・

今の瞬耶見てるとしゃべりたくなっちゃった・・・。


「ん。そうだね。」


そういった彼の顔も、なんだか寂しそうだった。



私、瞬耶のこと知ってるようで、
何にも知らないんだ・・。

瞬耶の家庭のこと。

瞬耶自身のこと。







それに・・・瞬耶が、



こんなにも苦しんでいること。




結構な時間を一緒にすごしてきたはずなのに、
何にも気づかなかった。












「瞬耶・・・」