流れ出す涙。

涙を止めようと枕に顔をうずめる。

でも涙が溢れるだけで止まらない。

「泣くな。」

……!!?

いきなり横から声がした。

………………雄、、、?

「何でここにいるの……。勝手に入らな……い…」

…どうなってんの?

あたしは雄の腕の中にいた。

「一人で泣くなよ。泣きたくなったら俺が側にいてやるから。」

そう言って強く抱き締められた。

さっきよりも鼻の奥をツンとさせた。

────────それから何分たったかな。

少し落ち着いて、自分の状況に気が付いた。

「うわぁぁ!!ゴメン!!」

あたしは雄から離れて壁に引っ付いている。

「あっ…あのさ!!ライブって何時からかなぁ!!?」

雄の顔をチラチラと横目で見ながら。

「わかんないけど…。夕方ごろからじゃねーの?」

「じゃあ!あたしが梨華に聞いておくね!!」

少しだけ頷いた雄。

「俺…帰るわ」