『カラカラ……』

ベランダの窓が開いた…?

「綾……?」

ゆっくりとあたしに歩み寄る雄はとても悲しい顔をしていた。

「えへへ………来ちゃったッ…」

座ったままのあたしに手を伸ばしてくれた。

あたしは少し戸惑いながらもその手を握った。

雄の手は凄く暖かかった。

座っているあたしを引っ張った雄はあたしを部屋に入れてくれた。

雄の部屋……。

こないだ鍵忘れたんだよね……。

久しぶりに話して忘れ物なんて…。

少し恥ずかしかった。

「綾ごめん…。」

あたしは窓の近くに座っていて、その向かいにはなぜか雄がいる。

「さっき綾が言ったこと…考えてもわかんなかったんだ…。」

『全部、雄のせい。……雄があたしを壊していく。』

あたしが泣きながら訴えた気持ちに雄は真剣に向き合ってくれていたんだ…。

そう考えるだけで少しだけ涙が出そうになる。

「あたしも…急にゴメンネ。」

あたしの言いたいことはこれじゃない。

謝りたいんじゃなくて……。