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允浩「その辺に座って」

私が小さなテーブルの前に適当に座ると、允浩はすぐ前に座った。

允浩「どの教科をやりたい?」

七「えーと・・一番苦手なのは数学かなぁ・・」

允浩「じゃぁ数学からやろうか。
どの単元にする?」

七「とりあえずテストでだめだったのは、因数分か・・・」

ふと顔を上げると、允浩が近くにいて・・・。

なんか反射的に目線をそらしてしまった。

允浩「因数分解か。
じゃぁこの問題やってみよっか」

七「う、うん・・」


それからしばらく、因数分解の問題を解いたり、展開公式の確認したり・・・。
允浩の教え方はすごい分かりやすかった。

ちょっと難しい問題にも挑戦してみたら、意外と正解だった!

允浩「すごいよ七!がんばったね」

七「允浩の教え方がうまいからだよ」

允浩「七の実力だよ。」

チラッと前を見たら、允浩と目があった。
優しく微笑んでいる。

なんか前が向けなくて、部屋全体をとっさに見回した。